今お住まいの住宅は家事がしづらい・・・そう感じられている方も多いのではないでしょうか?
これから新しい住宅探しや購入をする際、より快適な住まいを手に入れるためにどのような部分に注意し、計画を立てていけばよいのでしょうか?
毎日の生活に欠かせない家事は、長い時間、同じ空間、同じ行動を繰り返す事で、日々ストレス感じてしまいます。
ストレスを減らすためには、家事に合った動線計画をたて、その計画をもとに間取りを決める事が快適でストレスフリーな住まいを手に入れる、重要なポイントとなります。
家事動線の考え方①具体的な家事の内容を考える
動線はそれぞれの家事の繋がりや、生活スタイル(仕事や趣味)などによって異なります。
また、家事に使用する道具や電化製品などが必要であるか、その頻度はどの程度なのかによっても変わりますので、まずはその内容を考えていきます。
①家事の種類を考える
家事と一言で言っても、たくさんの仕事があります。
掃除、洗濯、ゴミ出し、料理、庭のメンテナンスなど、細かく表現出来ないものを含めると数え切れない程・・・
まずは頻度の高い家事の内容を考えてみて下さい。
例)料理、掃除、洗濯、ゴミ出し など
②各家事に応じて細かい問題点や希望を考える
今お住いの住宅で置き換えてみてください。使いづらい点、問題点、良い点、少し変更するだけでもっと良くなる点などを再確認してみると、改善点やより良い案などを発見することが出来ます。
例)来客があっても気にせず洗濯出来るようにしたい、買い物をすると荷物を片付けるまでが大変、料理と洗濯を両立出来るようにしたい、全体的な間取りは使いやすいが収納が少ないなど
③家事に使用する電化製品、道具、備品、収納の事を考える
それぞれの家事に必要な電化製品は何がありますか?その保管場所はどの程度必要ですか?
家事に必要なものを遠くに保管していたり、狭い場所に無理に保管してしまうことで行き来する回数や距離が増えたり、出し入れしづらいことで面倒になってしまいます。
少しでも家事が滞らないような、収納を含めた動線計画と間取りを考えます。
例)料理にはお皿、調理器具、冷蔵庫、オーブン、炊飯器など⇒キッチン付近へ。水を使わない掃除には掃除機、クイックルワイパー など⇒リビング付近
水を使う掃除には雑巾、バケツ、洗剤、ブラシ など⇒ユーティリティや浴室付近へ。
家事動線の考え方②次に動線を考える
前述の内容を考慮し、家事の一連の流れを考えてみます。
料理をする際の動線
買い物をし、冷蔵庫に片付けて、材料を準備して調理をし、盛り付けをして食べ終わったら洗って、ゴミを片付ける。
=材料の保管場所(冷蔵庫と食品庫)と作業台の位置関係が重要
掃除をする際の動線
窓を拭き桟にたまったほこりを取り、掃除機をかけ、ウエットシートや雑巾、モップをかけて、掃除機などのゴミを片付ける。
=人目に触れず、リビングなど家の中央付近に、必要な道具を保管できる場所を設けることが重要
洗濯をする際の動線
洗濯機に洗濯物を入れ、洗濯が終わったら干す。必要に応じて洗剤などの補充をし、ゴミを片付ける。乾いたら取り込みアイロンをかけ、それぞれに分けて畳んだものを片付ける。=洗濯する場所・干す場所・畳む場所・片付ける場所の位置関係が重要
ゴミ出し
1週間の間に、ゴミ出しを数回行う。分別内容、頻度によって新しいゴミ袋を準備する。=各家事の中には細かいゴミの片付けがあり、ゴミ箱の設置場所と外への出入りが重要。
家事動線の考え方②家事の動線を考慮しゾーニングを行う
これまでの内容をふまえて屋外と室内、各部屋と部屋の用途を考慮し、パズルのように配置しながら組み合わせていきます。
ダイニング⇔キッチン⇔パントリーはキッチンを中心に
キッチンで作った料理をダイニングで食べる方が多いと思いますが、食品の保管場所はどこにあるでしょうか?
パントリー、冷蔵庫には思ったよりもたくさんのものが入っています。料理の品数や材料によって、パントリーや冷蔵庫との行き来の回数は異なります。
また、お皿や調理器具の収納はどこにあるでしょうか?使用頻度に合わせた収納場所を決めることで、日々の料理がスムーズになります。
収納をどこにするかが【カギ】ということです。また、ゴミ出し用の勝手口を近くに設けると、より使いやすくなるでしょう。
リビングは一番の癒し空間
居心地の良い場所にしましょう。家事動線よりも居心地の良さを重要視します。日当たりを考え、外の景色や隣接する家との兼ね合いなど住環境も配慮します。
但し、一番掃除をする回数が多い場所であるため、ゴミに気付いたらすぐ掃除機がかけられる収納を近くに設けます。
トイレはひっそりとでOK!でも適切な場所へ
トイレはキッチンや浴室の近くなど給排水を重要視し、建築費の無駄をなくします。但し、来客の利用も考えると、客室や玄関付近が一番ではないでしょうか。
菌の発生が多い場所であるため、日々の掃除がしやすいように、小さくても良いので収納を設けます。
ユーティリティとキッチンはなるべく繋ぐ
脱衣室で服を脱ぎ、洗濯物はカゴへ入れるので、洗濯機が同じ空間にあることが一番です。
また、タオルや着替えなど最低限のものは脱衣室で使用するので、脱衣室=ユーティリティにすることで、洗濯に関する家事が一室で出来るようになります。
ユーティリティとキッチンを繋ぐと、すき間時間を使って洗濯が出来るため、料理との両立が可能になります。
収納スペースは縁の下の力持ち
収納スペースは、リビング付近、ユーティリティや浴室付近、トイレ付近、屋外などをおすすめします。
収納が少ない住宅は、人目につく場所にものを置かなければならないため、掃除もしづらくなります。
スッキリ片付いた住宅にするためには、収納は多い方が良いでしょう。最終的な間取りを考える際に、デッドスペースは収納スペースとして有効に使います。
これらを元に収納以外の部屋を大まかに配置してみると、全体の間取りが見えてきます。全体の間取りが見えてきたら、デッドスペースなどに収納を配置します。
平屋、二階建てなど住宅の仕様、また新築の場合には敷地面積や周りの環境を十分に考慮し、間取りを決定していきましょう。借家の場合にはご自分がイメージした間取りに近いものをいろいろと探してみて下さい。
家事動線を上手に設計している間取り集
間取り1
エントランスからシューズクロークを通り、パントリーを抜けキッチンへ。買い物後の片付けが楽になるプラン
間取り2
パントリーとユーティリティを兼ね備え、そのまま洗濯物を外へ干せるデッキを併設。すき間時間で料理と洗濯が両立可能なプラン。
間取り3
キッチンの隣には大きめのパントリー。脱衣室とユーティリティをコンパクトにまとめたシンプルなプラン。
間取り4
エントランスから広いパントリーを抜け、そのまま浴室まで一直線。裏通路に家事動線があるプラン。
間取り5
エントランスから洗面所まで抜けた先にはキッチン。大型のパントリーとユーティリティ兼用のウォークインクローゼットで片付け楽々プラン。